ご先祖様の霊の乗り物「精霊馬」

年に一度、死者が現世に戻ってくるというお盆。

もともとは仏教の盂蘭盆、盂蘭盆会(うらぼん、うらぼんえ)という死者に対しお供えをし、追善供養をする行事が日本古来の先祖霊を迎える儀式と一体化して現在のかたちになったといわれています。

日本全国で行われるお盆にまつわる行事には、京都の五山の送り火(いわゆる大文字焼き)のように多くの観光客を集めるものもたくさんあります。

さて、そんなお盆のお供え物の一つとして特徴的なものに精霊馬があります。

キュウリやナスなどの野菜に割り箸を挿して立たせたものといえば、誰しも一度くらいは見たことがあるのではないでしょうか。

「精霊馬」と書いて「しょうりょううま」あるいは「しょうりょうま」と呼ばれるそれは、ご先祖さまの霊があの世とこの世を行き来するときに乗る乗り物とされています。

キュウリが馬で、ナスが牛。けれどもどちらも精霊‘‘馬‘‘なのだそうです。

現世へ戻るときは脚の速い馬に乗って、逆に帰るときはゆっくり、そしてたくさんのお供え物を持って帰れるように牛に乗るのだといわれています。なので、お供えの時はきゅうりの馬は仏壇に向けて、ナスの牛は仏壇に背を向けて置かなければいけません。

お供え物=旬の食材

どうして精霊馬に使う野菜はキュウリとナスなのか、はっきりとしたことは判っていないようです。

ただ、この時期に全国的に収穫を迎える野菜ということで、キュウリとナスを使うのが一般的になったのだろうといわれています。

あくまでご先祖様への感謝を示すお供えの一種なので、その時採れたもっとも美味しいものを、という意味であるなら、キュウリでもナスでも、トマトでもとうもろこしでもゴーヤでも、なんでもいいのかもしれません。

あくまで気持ちの問題ですから。