日本のお正月には欠かせないおせち料理やお雑煮。

それぞれの料理や食材には新年の縁起物としてさまざまな由来が伝えられています。

『めでたい』

・・・という、なんともわかりやすい由来を持つのは”くわい”。

水生植物オモダカの栽培変種で、塊茎と呼ばれる球根のような部分を食べます。ただ、食用にしているのは日本や中国くらいで、欧米では観賞用に栽培されているものが多いようです。

丸い本体から尻尾のようににょきっと芽が出た姿は可愛らしくもあります。そしてその姿自体が縁起物としての由来になっています。

『芽が出ている』=『めでたい』。つまりはダジャレです。

まぁ、物事の由来なんてたいていがそんなものですけれど。

ほかにも『将来目が出るように』という意味が込められているともいわれます。

味や食感は百合根に似てほろ苦く、煮ればほっくりと柔らかくなります。

正月の縁起物としてこの時期に多く出回りますが、野菜の多くがそうであるように普段の食生活ではあまり馴染みがないかもしれません。

『人の上に立つ頭になるように』

・・・という由来から食べられるのが”頭芋”。

里芋類の親芋のことで、特定の品種を指すものではありません。

これもそのままズバリの由来ですね。ダジャレではありませんが。

ほかにもくわい同様芽が出た状態のものですのでやはり同様に『めでたい』という意味もあるそうです。あぁ、結局はダジャレか・・・。

京都のお雑煮では、白味噌を使ったお出汁にこの頭芋を入れるのが定番。そしてその際使われる頭芋は京の伝統野菜の一つである海老芋の親芋で、とくに”殿芋”とも呼ばれるものです。

大きなものになるとひとつで1㎏をゆうに超える頭芋。それがごろんと、お椀に入っている様は圧巻です。まぁ、そんな大きなものを丸ごと使う家もそうないとは思いますが。

食味としては子芋や孫芋に比べてねっとり感が弱く、どちらかというとほくほくした食感が楽しめます。

『紅白で・・・やっぱりめでたい』

大根とにんじんで作る紅白なますは祝い事に使われる紅白の水引に見立てたものです。

紅白の由来についてはいろいろと説があって正直はっきりしません。ただ、日本人としてもはやこれは理屈は不要でしょう。とにかくめでたいんだと、そういうことでいいと思います。

さて、そのおめでたい色を再現するのに大根とにんじんが使われることが多いのは、単純に手に入りやすかったからでしょう。

しかし、いかに手に入りやすいからといって一般的な西洋にんじんを使うのはちょっと待ってください。それでは”紅白”ではなく”橙白”になってしまいます。やはりここは昔から使われてきた東洋にんじん、真っ赤な金時にんじんを使っていただきたいところです。

オレンジ色の西洋にんじんに比べて細く小ぶりな金時にんじん。荷崩れしにくく甘みがあり、にんじん臭さは少ないですが独特の風味があります。最近では正月料理以外にもその色を生かして生のままサラダやピクルスなどにも使われるようになってきています。

と、とりあえず三種類の野菜を紹介させていただきましたが、ほかにも豊作や邪気祓いを願うごぼう、『先の見通しが良くなるように』との意味が込められたれんこんなど、もちろん野菜以外にもおせち料理に使われる食材にはいろいろな由来があります。

料理を味わうと同時にそれらの意味も噛みしめながら、同か皆さんにとって新たな年が良い年でありますように、今年はこれで失礼させていただきたいと思います。