京都の冬には欠かせない

12月に入り、いよいよ冬本番。温かいお鍋が恋しい季節になってきました。

白菜やにんじん、ねぎにきのこ類と秋冬に旬を迎える野菜はたくさんありますが、なかでも鮮やかな緑色とシャキシャキした触感がいいアクセントを与えてくれる水菜は近年鍋物に欠かせない野菜となっています。

”京菜”という別名からもわかるように、京都をはじめとした関西地方では特に親しまれてきました。”京都の伝統野菜”の一種でもあります。

鍋物としては鯨肉と一緒に煮込んだはりはり鍋が有名(これはどちらかというと大阪名物という印象が強いですが)ですが、お揚げさんと一緒に炊いたり、いわゆるおばんざいの素材としても馴染みの深い野菜です。

関西以外では愛知や静岡といった東海地方などでも水菜は古くから栽培されてきました。元来は茎が太く葉もしっかりとしていて、煮炊きされるのがメインの野菜でした。最近の茎が細く葉も柔らかい品種は近年のヘルシー志向のなか、サラダの素材としての需要を見込んで改良されたものです。

その発想は見事に当たり、結果水菜は瞬く間に全国的に広がっていきました。

それまで栽培されていなかった地域でも栽培されるようになる一方、栽培していた地域でもそれまで栽培していたものから改良された新品種へと切り替えているところも多いようです。

より需要のある方向に舵を切るーーというのは商売の基本ではあるのでしょうが、そうすることで昔ながらの品種が姿を消してしまうかもしれないと思うと、少し寂しいような気もしますが・・・。

子供たちのことも知ってあげてほしい

水菜の仲間に壬生菜という野菜があります。

水菜と同じく”京菜”と呼ばれることもあるこの野菜は水菜の自然交雑によって生まれました。すでに1800年ころには京都市中京区の壬生寺付近で栽培が行われていて(それが名前の由来にもなっています)、やはり水菜同様”京の伝統野菜”のひとつに数えられています。

水菜と違って葉に切れ目がなく、細長い楕円形をしています。味も水菜にはないないピリリとした辛みがあります。

親ともいえる水菜に比べて知名度はあまり高くありませんが、用途としてはほぼ同じ。鍋物や煮物、最近ではサラダの素材として生で食べられることも多くなっています。

水菜、壬生菜ともに寒さに強く、野菜の少ない冬に採れる貴重な食材として関西地方では欠かせない食材でした。

ハウス栽培などが浸透し、いろいろな野菜を一年中食べられるようにはなったとはいえ、やはりその時期、季節の旬の食材を食べてこそ。

暦や気候だけでなく、食から季節を感じるのも四季のある日本ならではの感覚なのかもしれません。